新しい本ではないのですが、たまたま、目に付いたので。
”ゾーンの入り方”、っていう題名じゃない方がよかった気もする。
ゾーンと言う表現自体多用され過ぎてきている感があるし、
未だなかなか再現性が高くない属人的な感覚的なテーマだから。
それはそれとして、この本はむっちゃくちゃいい、ハチャメチャに良い本です。
すべてのアスリート&コーチは読むべきだし、活字が苦手な選手にも読む努力をしてほしい。
天才がゆえに成功したと思われている室伏の、”努力の仕方”が言語化されているありがたい本である。
なので、これはゾーンへの入り方はもちろんであるが、日々の練習の仕方、練習の計画の立て方、
正しい練習方法の見つけ方、コーチとの接し方、(コーチの選手との接し方)、プロセスを楽しむ方法などを通じて、
彼自身が、世界とのとてつもない”距離”を長い年月をかけて埋めていった(最後には超えていった)体験を綴った貴重な本である。
僕が好きだったのは、
- 彼がハンマーとの対話を図るべく、”ハンマーがどういう風に洗ってもらったらきもちいか”を意識してハンマーを磨くようになったというエピソード。これは以前、現役レジェンド不動裕理先生が、ボールやクラブに対して話しかける、と言う行動と全く同じだと感じた。気功であり、宇宙だなと。
- 室伏氏自体、当初は世界に通用する体力、実力、実績ではなかったという点。それを努力と練習の工夫でどうやったら自分の身体能力を高められるか、さらにそれを余すことなく発揮できるかを突き詰めてきた、と言う点。これは多くのアスリートに勇気を与えてくれるエピソードだと思う。
- さらに、彼の練習プログラムは、安定した環境で、ただくりかえず、と言うことではなく、常に変わりゆく環境の中で、自分の脳みそと体の神経回路をどのように開拓していくか、つなげていくかをテーマに作られており、指導者が選手に与える練習内容が、本当にどれだけ意味のあるものなのかを考えるヒントになってくると思われる。日本では片山晋呉選手がまさにそのあらゆる方法で、創造的な方法で、身体コントロールの向上を模索しているのと同様に、やはり一流と普通の選手との違いはここにあるんだなと確信できる内容でした。
- 最新のモーションキャプチャーやジャイロセンサーなども導入して感覚とデータの融合を図り、新しい指導法の研究に勤めていると、これは日本が海外に遅れをとっている分野であるし、勇気をもらえる取り組みだなと。
と言うことで、以下に目次です。
目次を見るだけでも、彼の非凡さがわかります。そそります。
ぜひ。連休中の読書はこれを。そして、僕は彼に会いに行くことに決めました。
さらに、あまりにもよかったので、なぜか三冊買ってしまいました。
- 究極の集中力をつける
- アテネの星空で見つけた集中力
- 集中力とは何か
- 集中力が高まらない原因と対処法
- 究極の集中力”風林火山”
- ゾーンに入る
- ゾーンとは何か
- ハンマーと一体化する境地
- 超集中状態に入る呼吸法
- 一瞬で全身に力がみなぎる逆転の呼吸法
- 違うジャンルに挑戦してみる
- 限界の超え方
- 限界の先がある
- 大きな船で大きな航海を
- 苦しいトレーニングを楽しくする
- いい疲れが指標になる
- 常識をぶち破れ
- 赤ん坊の動きがヒントになった
- 練習の間違いを見つける
- 一度でもいいから超えてみる
- ゴールへのアプローチを最適化する
- 目的と目標を定めて最短の軌道を描け
- 目標と目的を履き違えてはいけない
- 圧倒的な練習量は勝利の条件ではない
- 相乗効果を生む複数の目標設定
- 自分を客観視するのは苦しい修行
- 練習は裏切らないは本当か
- 反抗期に学んだ重要なこと
- 良いアドバイスをもらえる選手になる
- 自分自身の立ち位置を確認する方法
- 自然体が一番強い
- タフでなければ世界では戦えない
- 世界中のアスリートに五輪のチャンスを
- どんな状況も積極的に受け止める
- 全力を出したことがない人ほど余計な力が入る
- 全力を尽くせば必ず課題が見えてくる
- 自分の結果に首をかしげない
- 調子がいい人の勢いに乗る
- 季節感を大切にする
- 対戦相手は無限の蒼空
- 自分の弱点と上手に向き合う
- やるべきこととやりたいことを一致させる
- 成功体験が成長の邪魔をする
- 最後につかんだ極意がある
- スポーツの究極にあるのは楽しさ
- 体を整える
- 自分の中に眠っている潜在能力を呼び覚まそう
- 日常生活の中でできる効果的なエクササイズ
- 型 と イメージ と 空気 を制するものは世界を制す
以上です。今週は、女子はサロンパス そして男子は翌週は日本プロ。
いずれに会場に行ってきます!それでは!!